(以下、天、というのが、毘沙門天です。)
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私「おはようございます。
お名前を教えていただけるでしょうか?」
天「毘沙門天」
私「お話させてもらってもよろしいでしょうか?」
天「かまわぬ」
私「仕事を通して富を築いていくためには、
どういった心構えが良いでしょうか?」
天「得た富を我が物のためだけと、しないことじゃ。
なんのために、富を築くのか、
その思いの強さが仕事にも表れよう。
古来、子孫にその財を受け継ぐため、というのが強かったが、
この物質にあふれた世において、それは、子にとっても、
必ずしも、良い結果を与えることとはならぬ。
おぬしは、どうするつもりじゃ?
個の中で収まるのであれば、
多量の金銭は不要であろうに。
金銭をためる、ということは、おぬしにとって、
何を意味するのじゃ?」
私「生活を安定させることです。」
天「うむ。
それは何のためじゃ?」
私「家族のためです。
やはり、私も楽をしたいので・・・。」
天「がっはっは。素直じゃのう!
どこで苦しみ、どこで頑張り、どこで楽をするのか、
ということじゃろうな。
仕事については、そこで試行錯誤を重ね、
結果を出した分だけ、生活が楽になるということであろう。」
私「問題は、苦労している人が、
必ずしも、富を得ているわけではない、ということです。
これはなぜなのでしょうか?」
天「しがみついておるからじゃ。
しがみつくのに必死になっておる。
金銭とは流れ行くものじゃ。
同じ事を繰り返していれば、いつか、その川の水は干上がる。
金銭の流れ行くところに柔軟に身を変えていくこと。
それがなければ、干上がる川の水を汲むのに
いくら一生懸命になっても、結果は出ぬ。
金銭を得たくば、変化することじゃ。
これが出来ぬ人間は多い。
何しろ、安定が欲しくて金銭を求めるのに、
金銭が人に求めるのは、変化なのだからな。
また、富を維持するためには、守ることではなく、
変化するということ。
変化し続けるものだけが、富を維持できるのじゃ。」
私「本日はどうもありがとうございました。」
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